ベンチャー企業のメリット、デメリット

キャリア

外資系金融に新卒として入社しながらも、なぜ敢えてベンチャー企業に転職したのか?

転職を決めたばかりの頃は、周りからそのように尋ねられることも多く、心配や反対もされました。

ベンチャー企業には結果として1年強しか在籍しなかったのですが、この1年強でベンチャー企業での就労から学んだことについて、メリットとデメリットについてお伝えできたらと思います。

そもそもなぜベンチャー企業に転職しようと思ったのか?

昨今でもそうなのかもしれませんが、私が転職を具体的に検討していた当時は金融業界界隈では以下のようなことがキャッチフレーズ(?)がネットを賑わせていました。

・金融業界(フィンテックを除く伝統的金融機関)は斜陽産業

・業界が成長していないと、いくら自身がパフォーマンスを上げたとしても、受けとるベネフィットに上限がある

・大手企業での経験は、これからの時代役に立たない

・0⇒1(ゼロイチ)、1⇒10(イチジュウ)といった経験がこれからの時代には役立つ

どこかで聞いたことのある内容ではないでしょうか?

まさにこうした囁きに耳をしっかり傾け実際に転職活動をしてしまったのが私です。笑

ベンチャー企業に期待していたこと

転職活動をする中で、私はベンチャー企業に以下のことを期待していました。

・年収はキープしたままで地方(できたら地元福岡近郊)移住したい

・0⇒1(ゼロイチ)、1⇒10(イチジュウ)といった経験をしたい

・管理職(事業責任者)として事業を回すという経験がしたい

・人数が少ない組織で、裁量が多い仕事がしたい

・仕事のための仕事(社内承認のための資料作りや根回し等)をなくし、バリューアッドな仕事に注力したい

・フロント(クライアントフェイシング)の仕事を経験したい

・自身が専門として突き詰めたいプロジェクトマネジメントスキルを伸ばしたい
*国際機関での就労が転職時も念頭にあり、専門性を伸ばすことは意識していましたし、面接時にもその旨は伝えていました。

オファー内容

面接時には上述の通り自分がこの転職で期待している内容を伝えました。

「自分が何ができるか?」「自分は何をしたいか?」「転職先企業の事業内容は何か?」「今後の事業展望は?」「私に期待することは何か?」等について何度も会話し、互いのニーズマッチングを行った結果ざっくりとですが以下のようなオファーを頂きました。

・年収は賞与込みで前職と同額(賞与は最低保証額有)+ 地方移住

・取締役直下のポジションなので仕事のための仕事は少なく意思決定はスピーディーに行われる

・新規事業の海外事業推進統括を管理

・給与の成長率も早いし、ストックオプションも付与する

・残業時間で評価はせずパフォーマンスで評価するため、総じて社内の平均残業時間は少なめ

ベンチャー企業のメリット

さて、晴れてベンチャー企業での勤務が開始したわけですが、約1年間強在籍して感じたベンチャー企業のメリットについて書いてみます。

・小人数なので経営者との距離が近い

・小人数なので社内政治が形成されず、最終意思決定者が明確

・(地方移住が伴う場合)職住近接かつ生活コストの大幅低減が可能

・”稼ぐこと”が身近に感じられる(フリーランサーへ発注したり、自ら作成して事業資料やプロダクトを世にだせる)

上記のなかでも特に私にとって最高だったのが地方移住を伴えたことです。念願の地方移住が叶い生活コストは大幅に低下したもののライフクオリティは上がりました。この期間中の子供の夏休みはこれまででも最高に楽しい夏休み期間になりました。笑

*地方移住が伴わない場合は関係ないですが。。

ベンチャー企業のデメリット

一方でベンチャー企業のデメリットとしては以下が考えらえるのではないでしょうか?

・公開情報の少なさ ⇒ ミスマッチを誘発し易い

・経営者の人格に左右される ⇒ 経営者の行動や指針をけん制する機能が大手に比べて脆弱

・福利厚生は大手より劣るケースが多い

・ストックオプションや将来の給与の伸びも所詮は絵に描いた餅

・(地方移住が伴った場合)キャリア開発がしづらくなる

・専門性を高めづらい(何でもする必要がある)

大手企業のキャリアを捨てベンチャー企業へ転職する前に再度自問してほしいこと

大手企業だろうがベンチャー企業だろうがそれぞれには良し悪しがあります。

ベンチャー企業の成長フェーズに身を置きたい方、ベンチャー企業のシード期に身を置きたい方、グローバル企業で国をまたいだプロジェクトに携わりたい方など、どのキャリが他より優れているということはないです。

お恥ずかしながら、私自身は当時そのことを忘れて、ベンチャー企業での経験こそがこれからの不確実性が増す社会で必要な経験だと思い突き進んでしまいました。プロマネでありながら担当プロジェクトの完成を待たずに・・。今でも反省と後悔があります。

 

なので、大手企業に所属していながらこれからベンチャー企業へ転職しようする方は、以下内容について再度自問してほしいと思います。

・転職先の業界にそもそも強い興味・関心・情熱が持てるのか?

⇒ 業界が変わると人のタイプも変わりますし、商習慣、雰囲気もガラッと変わります。その変化に対応できますか?

 

・転職先が合わないと感じた時のコンティンジェンシープランがあるか?

⇒ 転職先のベンチャーは地方にあるかもしれません。地方在住のメリットも大きいのですが、その会社が合わない場合、自身とマッチする転職先はそのエリアにありますか?

 

・転職する先の経営陣は、外資企業的、内資企業的か(どちらの職歴が多いか)?

⇒ それぞれの企業の働き方やカルチャーがありますが、それらは経営者の好みが色濃く反映されるものです。自身は外資的、又は内資的企業の雰囲気に合っていますか?

 

・経営陣と仲良く仕事ができそうか?

⇒ ベンチャー企業で働くということは、会社経営陣と四六時中顔を合わせ文字通り彼らと蜜に仕事を進めていきます。経営陣と気持ちよく仕事ができそうですか?自分が身を粉にしてサポートしたいと思える方々ですか?

 

・提示されている年収、福利厚生は総額で計算し見劣りはないか?(見かけ上の年収はマッチさせているが、よくよく計算するとベースダウンになっていないか?)

⇒ ベースとボーナス金額のみで計算していないですか?退職金は?確定拠出年金は?有給日数は?傷病中の有給の扱い方は?交通費は?出張手当等の各種手当内容は?大手企業は意外と隠れたベネフィットが大きかったりします。年収の単純比較だけで大手企業・ベンチャー企業のどちらがよいか判断しないようにしましょう。

 

・事業規模の割に、求人掲載の年収レンジ上限が高すぎないか?

⇒ 同業界の他求人の年収レンジに比して転職先が提示している募集要項記載の年収上限がいやに高くないか?年収下限と上限が300万以上開いていないか?(基本、下限しか提示しないものと思ったほうがよい。上限年収は求人票の餌程度に考えるべき。)

 

・ストックオプションや将来的な給与の伸びをアピールしすぎていないか?

⇒ そもそもここに期待を寄せるのはやめましょう。おまけ程度に思っておいたほうがよいです。ストックオプションがあるからという理由で、ベースを下げてきたりしたら立ち止まってよく考えた方がよいです。ストックオプション含めた将来利益は所詮絵に描いた餅です。

 

・その企業の評判情報は、会社評判サイト等で確認できるか?

⇒ 会社の雰囲気や、経営陣の本当の顔は採用面接時、オファー内容交渉時には見えません。会社評判サイト等で必ず確認しましょう。そうした情報がない会社に対しては、そもそも転職を踏みとどまったほうがよいです。0⇒1(ゼロイチ)、1⇒10(イチジュウ)といった経験がしたければ、友人・知人経由で案件がくることを待つか、自らイニシアティブをもって事業を始めるほうがよいです。

 

・職務内容は具体的に提示され、また理解しているか?職務内容に伴う働き方についても明示されており、それを理解しているか?

⇒ 求人広告に記載されている職務内容と、就労しだしてからの職務内容が異なるなんてのもざらにあります。オファー内容を確認する際に、なるべく具体的に自身の職務内容について確認しましょう。例えば、どんな業種でもKPI値や営業目標が課されると思いますが、その達成難易度および過去実績、到達可能な値であることの証左は確認していますか?KPI値等目標値が現実から乖離している場合の目標再設定の機会はあるのか?パフォーマンス評価修正タイミングはあるのか?また、勤務時間帯、出張頻度、在宅勤務 等についても要確認事項です。できないものは最初からできないと伝えましょう。

まとめ

大手企業もベンチャー企業もそれぞれにメリット、デメリットがあります。大手企業でしかい経験できないこと、ベンチャー企業でしか経験できないことがあるので、どちらのキャリアが良いということはないです。結局は自身の職務をどのように果たしてきたかということが重要になってきます。

大手企業と比べて、ベンチャー企業では採用活動で優秀な人材を引き付けるために多大な労力を要します。結局は信用力やブランド力の差になるのですが、そうした差を埋めるために大手企業でのキャリアを揶揄するようなのもよく耳にします。

また、意図するしないはありますが、誇大な情報や錯誤を招くような情報が世の中溢れています。求人情報もしかりで、大手と比べて公開情報が少なく信用が少ないベンチャー企業の求人情報はそもそもが割り引いて判断すべきです。

そうして再度立ち止まって考え、経営者の方といっしょに「夢」をみることができるなら大手企業のキャリアをすてて ベンチャー企業での就労もありかもしれません。

いづれにせよ自身のキャリア開発は自分で責任を持つ!情報はきっちりと裏をとること。自分がどこに向かいたいのか、そこに到達するためには今どんなことを経験すべきかを確認することが大切です!