国際機関へのエントリータイミングについて考えてみる【第2回】

国際機関
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前回の記事の続きです(前回の記事はこちら)。

さて、今回は残り5パターンの内、JPO、YPPとして入社するケースについて考えてみる。

JPOとして

職位=△

長期的キャリア開発=△

難易度・不確定要素=△

外務省が実施する国連JPOにしろ、財務省管轄の世銀JPOにしろ、組織内での職位としてはジュニアに多少毛が生えたレベルのものとなる(いわゆるP2レベル。世銀だとGEとかGF)。

完全に下っ端かと言われたらそんなこともなく、自分より職位が下のコンサルだったり、アドミンスタッフ、正規職員なり立ての人とかとも一緒に仕事をするわけである。自分が意思決定を下すような立場には勿論ならないが、それでも作業要員として一定のクオリティが要求される(じゃないと、コンサルさんだったりに格好がつかないw)。

JPOの募集要項上は、最低職務経歴が2年とか書いているのだが、実際の所、完全に外から入ってくる場合には、職務経歴が5年以上の方が多いようである(これは某省庁の担当の方にヒアリングした。また、周りの同僚や知人をみていると概ね合っていると思う。)

なので、外から入ってくる民間経験者は、職務経歴が5年以上とかあるわけなので、そこそこ色々な経験をしているケースが多く、それこそ場合によっては、小規模なチームマネジメント経験だったり、プロジェクト責任者をした経験をお持ちの方も多い。

そういった意味では、JPOにくるまでに、民間企業でそこそこ鍛えられているため、長期的キャリア開発という視点で考えた際に、「全く国際機関しか知りません+マネジメント経験はなく、ひたすら専門のハンズオンなタスクをコツコツやってました」というのとは状況が変わってくる。

ただ、上記の”そこそこ鍛えられている”は、人によって幅があるため、ここでは△とする。つまりJPOとして入社するまでの自分次第で大きく変わってくる(完全に外からJPOとして入社する位なので、行動力だったり、業務パフォーマンスが優れている方ばかりである。)

難易度・不確定要素は△とした。何故なら、JPO制度は年齢制限がある上に、自分の専門や職歴とドンピシャなポジションの募集がかかるかどうかは、正直いって運によるところが多いと思っている。

幾ら超絶優秀な人であっても、募集要項に書いていることと、全く一致しない職歴を持っている方が通るということはまずないと思っておいて間違いない。

(例えば、HBS MBA、外銀IBDのVP、といった華々しいキャリアを持っていても、’緊急支援のサプライチェーンマネジメントオフィサー’とかに応募しても、受かることはまずないのである。民間であれば、もしかしたら、書類選考の段階では「これだけ超絶優秀なキャリアなので会ってみるだけ会ってみるか」とかなるかもしれないが、それはJPOにはないと言っても過言ではないと思う)

まだまだ社会人としてもペーペーな私であるが、たまにキャリアについて、JPOについてご相談依頼を受けることがある。

そうした時にお伝えしているのは、「JPOに受かったのは、たまたまその時に、自分のキャリアの専門性とドンピシャな募集要項のポジションがでたこと。相対比較でたまたま私が他の候補者よりもよく見えただけ」であることである。つまり、運。でも、その運を引き寄せるために、日々地道にコツコツとキャリアを積み上げていくことは大事。

YPPとして

職位=△

長期的キャリア開発=◎

難易度・不確定要素=×

国連機関だろうが、国際開発金融機関だろうが、YPPはエリートという認識で合っていると思う。

幸い、これまでに国連競争試験(YPPの前進)やYPPで入社した方々とお会いし、キャリアや待遇についてお話しさせて頂く機会を得た。

 

所属組織や入社した年によりばらつきはあると思うが、私がヒアリングした限りだと以下のようなメリットがあるようである:

 

・雇用の確保が他と比べ容易(国連競争試験やYPP出身者は別枠のタレントプールがある)

・最初の数年は複数ポジションをローテーションして、広い知見を得ることができる(幹部候補生としての育成)

・YPP専用のトレーニングプログラムの存在(幹部構成としての育成)

 

職位としては、最初はJPOと大差ない。やはりジュニアレベルとしての扱いとなる。まあ、”ヤング・プロフェッショナル”だからね。

ただ、応募に際して、そもそも職務経験を必要としていなかったりと、この試験に合格する最少年齢はJPOよりも低くなる。年齢制限もある。そのため、年齢を考慮すると比較的高めの職位という風に考慮してもよいかもしれない。

 

長期的キャリア開発については◎だ。やはりYPP出身者は、上述の通り幹部候補として育成するというイニシアティブがあるように思う。実際に、国連組織や国際開発金融機関の総裁や副総裁をはじめとするシニアマネジメントの経歴をみても、YPPとして入社している方が多い。

 

難易度・不確定要素だが、こちらはその難易度の高さから×をせざるを得ない。要するに再現性が低いのである。

さすが、ただでさえキラキラな学歴・職歴保持者が集まる国際機関にあって、幹部候補生として育成されるだけのことはある。YPP試験はなかなかな難しさである。

国連組織のYPPに至っては、日本人の合格者がでない年なんてのもざらにある。私も過去2回YPP筆記試験を受けたが撃沈した・・。

ただ、当然だが、YPPの応募をして失うものなんて、費やした準備時間くらいしかない。挑戦しないのは勿体ない。

次回

残り3パターン(ミッドキャリア、空席公募(ジュニアレベル)、空席公募(管理職レベル))については次回以降にゆずる。

JPOもYPPも年齢制限があるわけだが、年齢制限を満たしていて、国際機関での就労を望んでいるのであれば応募しないと損である。