外資系金融はどの部署も激務なのか?【前編:フロント】

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外資系金融=投資銀行となり、投資銀行というとM&Aアドバイザリー業務を扱う投資銀行部門のことをまずイメージする方が多いのではないでしょうか?

そのイメージからか 外資系金融=激務 というイメージを持たれがちです。

 

この記事では欧州系外資系金融に在籍した経験からみた外資系金融の各部署ごとの就労環境について話します。

 

フロントオフィス

収益をあげる部門全般を指して「フロントオフィス」または単に「フロント」と呼びます。

投資銀行部門のバンカーや、株式セールス、富裕層顧客の資産運用をあずかるプライベートバンカーなんかがそうです。

金融機関の言わば花形で、男女比でいうと男性の方が多いですが、女性社員はもちろんのこと女性管理職もいます。

パフォーマンスが数字となって現れるので、どこも実力主義なカルチャーです。総じて、比較的激務とされます(最近かなり改善されているようですが、そもそもの士気が高いので結果をだすためには長時間労働なんのそのな方が多い印象です)。

投資銀行部門

私が知る限り外資系金融の部署の中で最も激務です。「ワークライフバランスって何?」ってレベルです。笑

ただし、給与の伸び、スキル・経験の伸び、人脈の伸びはかなり早いイメージです。

投資銀行部門の人曰く、「人の3倍働いているからそら3倍伸びも早いよ」とのことでした。納得です。

 

「そんなに毎日何やっているの?」と同期に聞いてみたことがありますが(失礼)、とにかく財務分析と資料作成を若手はさせられるそうです。上司が午後11時(午前でないです、午後です)とかに「明日までにXXXの資料を作成しておいて」といった依頼がきたりとか、それでいて朝になると顧客とのアポが流れたから必要なくなったとかがあるとかないとか・・。

 

私の同期も、終業時間こそ午前9時ですが、退社時刻は午前4時だとか、下手したら会社で寝泊まりとかしていました。

ただ、彼らもこうした働き方を苦にしておらず士気が高い方が多かったです。というのも、働き方改革の影響から人事部が色々と施策をうっていたとき、投資銀行部門の若手から反対の声があがっていました。彼らの主張としては、土日出勤して仕事をするのは早くスキルを高めたいからであり、あくまで自分の意思で勤務しているのでそれを制限されると困るとのことでした。さすがですね。

 

給与も新卒にしてベースで700万超え、それに賞与がプラスされるので1年目から1000万超えるとか。

しかも、ベース給与の伸びも早いようです。私の知り合いも、投資銀行部門入社半年後(9月入社)にベース給与が100万以上上がったそうです(賞与じゃなくベースってとこがすごいですよね)。

 

働いている方たちも優秀な方ばかりで、数字に強くタフで頭の回転が早いかたばかりでした。一方で英語はマストではなく、むしろ日本語が母国語ないし相当に高いレベルでないと厳しいようです。

株式部門・債券部部門

ここもなかなかです。新入社員研修で当時の株式部部長が「ワークライフバランスなんてない!ワークワークライフバランスだ!笑」と冗談飛ばしていたのを今もよく覚えています。

株式セールスはとにかく朝が早いイメージを持っています。私の同期も朝4時~5時には出勤していました。一方で、帰宅がその分早いかというとそんなことはなかったです(午前様はさすがにないようでした)。

セールスだからか、綺麗な女性が多い気もしました。

 

年収はフロントなのでやはり高年収です。投資銀行部門と同様、新卒からベース給与で700万超えです。

 

私が入社した当時は「英語力が高い日本人学生」も採用されていましたが、最近では「英語が母国語」でないと採用しないという方針に変わっていました。

当時は英語力を鍛える意味でかロンドンオフィスや香港オフィスへ異動したりとかもあったようですが、最近はどうなのでしょうね。

株式調査部門

(こんなこと言ったら怒られるかもですが)、私の中では一番コスパが悪い部署という印象をもっています。

なかなか長時間労働のわりには賞与が他フロント部門と比べると低めだとか・・。

勿論、賞与金額の比較なんて、実際できないのですが、少なくとも私の周りはその共通認識でした。

ウェルスマネジメント部門

*この記事で言及するウェルスマネジメント部門のの就労環境とは、プライベートバンカーの就労環境のことを指しています。

プライベートバンカーのワークライフバランスはなかなか測ることが難しいです。

と言うのも、単に会社に滞在している時間や退社時間でいうと全体的にそこまでひどくはないです。大多数は午前8~9時に出社し、午後7時代には退社している印象です。ただ一方で、プライベートバンカーというお仕事の性質上、顧客の開拓や顧客との関係深耕をするために色々なセミナーに参加したり飲みにいったりと、オフィス外で仕事に費やす時間が多いです。

それこそ家族ぐるみでお客様と夏休みに海外旅行に行ったり、海外旅行後は現像した写真とお礼のワインをもってそのお客様を訪問したりと、違った意味で大変な仕事だと思います。もちろんバンカーとして資産運用、資産防衛、相続、事業継承の専門知識、フィランソロピーや芸術への造詣にと本当に金融人としての高い専門性と人間としての魅力が高い方である必要があります。

私の先輩バンカーも、週末は富裕層のお客様とお茶会をご一緒したり誕生日には花束もってかけつけたりと、オフィス以外でのお仕事(その方はプライベートバンカーであることに誇りをもっていたので、彼にとっては仕事をしているという感覚でもないかもしれませんが 笑)も比較的多かったです。

また、何よりも男性であってもなかなか高レベルの接遇といいますか、きめ細やかな対人関係構築スキルを必要とするようです。やはり、富裕層のお客様に食い込んでいくわけですし、並大抵のサービスの提供やアプローチじゃ覚えて頂けないからとかだと思います。

コミュ障の私は絶対に無理な職種です。

英語は担当する顧客によりけりだと思いますが、英語ができなくても特にそれで落とすといったことはないようです。むしろ外資系金融機関にあって英語がまったく話せないバンカーの方が最も多いのもウェルスマネジメント部門です。

因みにですが、プライベートバンキングは金融業の中でも今後の伸びしろが期待できる分野だと思っています。

もし、数字に強く・学習意欲が高く・営業力を磨きたくて・対人関係構築能力に優れている方はおススメです!

アセットマネジメント部門

アセットマネジメント部門とあまり関わることがなかったので正直詳しくはないのですが、当部門の社員さん曰く「外資系金融で最もコスパがいい部署」だそうです。

と言うのも、フロント水準の給与・賞与がしっかりとでる割に、仕事自体は午後8には退社できるからとのことでした。

 

私が知り合ったアセットマネジメント部門の社員さんは、英語力がかなり高い方、殆ど話すことができない方と両タイプおりました。おそらくアセットマネジメント部門内の職種によるものだと思います。余談ですが、英語ができる方は比較的アセットマネジメント部門のフロントに多く、英語がそこまで堪能でない方は同部門オペレーションに多かった気がしますが、実際のところはどうなのか定かではありません。

 

アセットマネジメント部門も金融業の中で今後も伸びしろが期待できる分野なので穴場かもしれません。

金融業界が最近就活生から人気でないためなのか、後進の育成のためなのか、以前は中途採用しかやってこなかったアセットマネジメント部門も新卒に門戸を開いてきている印象です。金融のキャリアをアセットマネジメント部門から始めるというのも面白いかもしれません。

余談ですが、アセットマネジメントって世界銀行グループにも存在しますので、アセットマネジメント部門での経験から将来的に世界銀行グループで就労するというのも可能性があると思っています。

まとめ

今回は外資系金融機関の中でもフロントオフィスに焦点をしぼって就労環境(主にワークライフバランス)についてご紹介しました。*あくまで、私視点からの独断と偏見であることご容赦ください。

各部署が具体的に何をやっているか、金融という大きな枠組みの中で何を担当しているのかといった専門的なことは別サイトや専門書をご参照ください。

 

金融の中でも何がしたいのか、どのスキルを得たいのか、どの部門であれば今後も金融業でやっていけるのかについては各個人の状況や志向によりけりだと思います。ご自身にとって最もよい職種で働くことができるよう応援しております。