質問箱へ回答:コンサルからのキャリアスタートについて

質問箱回答集
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質問箱へ以下ご質問を頂きましたので、私なりの所見を述べさせて頂きます。

※当回答内容は、あくまで私が経験・見聞した内容に基づく私個人の回答であり、所属組織とは何ら無関係です。

質問内容

「日本人、日本の大学卒、英国大学院オンラインコース在学中でIFC含め国際金融機関に興味があり、今後コンサルタント職への公募を検討しています。牛嶋様からご覧になって、日本人でコンサルタント職から正規職員になる例はどの程度でしょうか?どのように入行するか、図りかねています。」

回答

私の感覚ですと世界銀行グループを問わず国際機関で就労する最初の取っ掛かりとしてコンサルタントとして勤務する方法は有効であると考えます。

世界銀行にとどまらず、私がインターンを経験した世界保健機関(WHO)でもコンサルタント⇒正社員(Technical Officer)となられた方がいらっしゃいますし、私自身他の国際機関職員の方や各種セミナーで見聞する限りコンサルタント契約⇒正社員契約という流れは一般的です。

*ここで言う”正社員”ですが、日本のような終身雇用の正社員をイメージしないでください。あくまで国際機関ベースの正社員(多くは期間の定めがある)のことを指しております。

ただ、日本人の方でコンサルタント契約⇒正社員の道を歩まれたケースでいうと諸外国と比べ少ないかなと思います。日本人職員の場合ですと、YPP(ヤングプロフェッショナルプログラム)、JPO(ジュニアプロフェッショナルプログラム)、MC(ミッドキャリア)、財務省や民間金融機関から出向して転籍するケースが多数を占めるかと思います。

上記傾向の理由について私なりに2つ理由があると思っています。

1つ目は、国際機関で就労するにあたりコンサルタント契約⇒正社員というキャリア開発の方法がそこまで認知されていないこと(日本人感覚として、半年とか1年契約のコンサルタント契約=非正規雇用のような印象があるのかなと感じています。コンサルタント契約といってもしっかり職歴にカウントされますし、給与は手取りで50万前後(福利厚生は劣りますが・・)、条件的にはかなり良いと思います)。

2つ目は、日本のキャリア開発のやり方と国際機関のキャリア開発の仕方にギャップがあることだと感じています。日本ですと社会人になるにあたりまずは”新卒”としてどこかしらの会社に所属し社会人としてのイロハを教わります。それこそビジネスマナーから、議事録の書き方まで。これら新卒時にうける教育は日本での今後の社会人生活で基盤となるものですので、たとえ海外へ正規留学をしていてもわざわざボストンキャリアフォーラム等の就活イベントに参加して、大多数は日本企業ないし外資企業の日本法人へ”新卒”として入社してキャリアをスタートさせます。新卒として社会人のイロハを学ぶことは素晴らしいのですが(日本人として日本で今または今後働く可能性がある方にとってよいリスクヘッジになると考えています)、大学で学んだことと無関係な企業へ入社したり(新卒採用ではそこまで候補者の過去の経験に重きをおかずポテンシャルで採用するため)、大学で学んだことと関係のある会社へ入社したとしても無関係な部署へ配属されたりと、ここでキャリア上の専門性が断絶する可能性があります。こうなってくると、ただでさえ日本ではコンサルタントの公募情報へのアクセスがよくないのに(言語上の問題、広報の問題、そもそも認知度が低い、人気が低い等)、応募しても専門性が見えないため合格しづらいといった状況になると考えています。また、一度日本で社会人を経験しキャリアを積み上げていくと、終身雇用ないし期限の定めのない雇用環境や、人によってはジェネラリストとして積み上げてきたキャリアや社内人脈を投げうってまで、期限の定めがあり日本の非正規雇用のようなイメージのある(?)コンサルタント職に応募する動機は少なくなります。

日本でのキャリア開発、国際機関でのキャリア開発とを選択するにあたり、日本人社会人にとってトレードオフが成立するのは上記パターン(YPP、JPO、MC、出向として入行)になる方が多いのかなと考えております(少なくとも私の場合は当てはまっており、いかにこれまで憧れて目指していた国際機関といえど、コンサルタント職としてでは家族帯同の移住ないし単身赴任は考えられませんでした)。

ただ、上記は日本独特の事由だと思いますし、日本以外でいうとコンサルタントとして入行された方は多いです。現在管理職をされている方々でさえ、キャリアの最初は大学院卒後にコンサルタントとして入行されていたりします。

ですので、繰り返しにはなりますが、単純に国際開発金融機関での就労の取っ掛かりとしてコンサルタントとして勤務し、在籍中に行内でネットワークをして他ポジションへ応募するなり、YPP、JPOへ応募するなりするのは有効だと考えます。*ちなみにコンサルタント契約も延長が可能ですので、私の周りですとコンサルタントとして半年~3年(延長数回)勤務した結果、正社員へとコンバートされているケースが多いです。

以上、長くなりましたが、ご質問への回答となれば幸いです。