金融業はオワコンなのか?

キャリア

金融業、それもバックオフィス部門にいると今後の金融業について不安を感じることも多いのではないでしょうか?

”金融業の就活人気低下”、”地方銀行再生”、”金融の没落”といったニュースは経済紙の紙面を飾り、元銀行員がYoutuberやブロガーに転向し、SNSで金融業ネガティブキャンペーン(?)も盛んに行われる中、金融業=オワコンと思っている方も多いのではないかと思います。

かつて外資系金融オペレーション部門に所属していた私も金融業は斜陽産業だと感じていました(そして実際に他業界へ転職しました)。

そこで今回は金融業が本当にオワコンなのかを私の視点で語ってみたいと思います。

金融がオワコンと言われる主な理由(筆者調べ)

金融人気が低下した理由として主に以下3つが挙げられると思います:

・金融ビジネスモデルに起因するもの(低金利、地方で急速に進む少子高齢化、Fintechの台頭)

・就労環境に起因するもの(年功序列、男女管理職比率の悪さ、規律ばかりで業務の自由度が少ない=つまらないし、ビジネスマンとしての地力が身につかないことへの不安 等)

・将来の職の安定性に起因するもの(AI、STP(Straight Through Processing、Robotics等に職が持っていかれることへの不安)

これら要因を考慮したうえで、ビジネスモデルや就労環境を重視するなら昨今人気なGAFAや商社、将来の職の安定性なら公務員、とにかく自由が欲しければ起業(ブロガー、Youtubeから始まり個人ブランドへ)といった流れでないでしょうか?

金融のビジネスモデルはオワコンか?

これは金融業のうちどこを切り取ってみるかで評価は当然ながら変わります。

やはりマイナス金利の影響は大きく、銀行の収益構造はどこも悪化しています。また、地方の少子高齢化からくる融資機会の減少なんかも地方銀行のビジネスモデルを厳しい状況においています。

ただ、それは地方銀行やメガバンクの一部支店業務にフォーカスが置かれすぎていて、金融業のビジネスモデルがすべてそうかというと時期尚早な気がします。

例えば、事業セグメントで見ていってもアセットマネジメント事業やウェルスマネジメント事業を成長領域ですし、投資商品で見ていっても例えばオルタナティブ投資、航空機のリース事業なども今後の成長が期待できます。

もし仮にあなた自身が地方銀行で一般職として支店勤めをされていたら戦々恐々とするのは分かりますが、就職活動をしている学生が金融のビジネスモデルに懸念を抱いて金融業を避けることはひどく短絡的な気がしてなりません。

ドル箱事業を抱えている企業の方が魅力に映るのは分かりますが、そうした企業は数少ないですし、何より事業課題解決こそ仕事の醍醐味だと思うので、金融業のビジネスモデル=オワコンと考えるのは損しています。

金融業を幅広く見渡すと、上述のようなアセットマネジメントやウェルスマネジメント事業、オルタナ投資やリース事業を扱う会社はあります。また巨大な金融機関でなくとも、例えばFintech領域(ソーシャルレンディング、仮装通貨取引所 等)にも活路は見出せますし、それら事業に携わることで得られる経験値は大きいです。

金融の就労環境はオワコンか?

(Fintech企業はどうか分かりませんが)確かに金融の就労環境は会社や部署によっては、”年功序列”、”男女管理職比率の悪さ”、”規律ばかりで業務の自由度が少ない”ということがあるかと思います。

ただ、これは金融の中でも比較的ドメスティックなカルチャーをもつ金融機関に当てはまることで、内資・外資で異なります。この点において別業界含め同じなのではないでしょうか?

私が所属していた外資系金融の場合ですと、”年功序列”、”男女管理職比率の悪さ”は全くといっていいほどなかったです。パフォーマンスベースでみられるため、非常にできる方ですと、30歳前半でディレクター(課長級?)まで昇進し部下を何名も持つケースもありました。逆に入社年数が長くても(本人の志向もありますが)、昇進がないままの方もいます。また、女性管理職も社内で結構見かけました。

ただ一点だけ、規律が多く業務の自由度が少ないという点だけは、他業界と比べた場合に当てはまるかもしれません。やはり金融業は規制産業ですので、規制遵守が第一です。なので、規制遵守を大前提として業務が組み立てられますので、規制から逸脱するような自由はまったくないです(時にグレーなラインをせめてみて社内法務部や、規制当局の反応をみてみることはありますが・・笑)。

金融の就労環境がオワコンなのかというよりは、オワコンな金融機関も中にはあるかもね、といったレベルです。なので他業界と状況は変わりません。

金融業の職種の将来性はオワコンか?

ここは業界外部の方よりも、業界内部の人が不安に思っている点かもしれません。

確かに昨今の技術の発展はすさまじく、金融業もテクノロジーの進歩からくる職務内容の変化は避けられません。金融業でよく聞く内容としては、AI、STP、Robotics、アルゴリズムとかでしょうか。正直私もこれらが何なのかざっくりとしかわかっていません。笑

ただ一つ言えるのは、これらはあくまでツールであり、ツールそのものが業務の何たるか・どうあるべきかを判断できないということです。一言でいうならば「ツールを使う側」になればいいわけです。ツールを使う=ツールの開発や修正などなんでもできるという意味ではなく、そのツールを使って自分の担当領域にどのように活かせるかを把握できる人になればいいわけです(普段から業務で社内システムや、Microsoftオフィス、メールを活用しているけれど、皆がそれらを1から開発できるようになる必要はないですよね?)

どの業界もそうですが、ただ上からの指示や通常業務を指示された通り・マニュアル通りに何も考えず右から左に処理するだけのお仕事ですと将来の職の安定は確保できません。若手ですと通常業務の処理がメインになるのは仕方ないので、そこから各業務に紐づいている規制や慣習等をどれだけ理解し身に着けられるかが鍵になってきます。

ですので、金融業の職種の将来性はオワコンかというよりは、ただ何も考えず主体性もなく業務に携わっている方の将来性がオワコンなだけです(多少過激な言い方ですみません・・)。

まとめ

世間一般に言われる金融業がオワコンな理由なんて気にすることはないです。

事業に波はつきものです。就労環境は会社によりけり・一緒に働く人に左右されます。将来の職の安定なんてその人次第です。

スキルベースでいうと、金融業から得ることのできるスキルは多いですし、楽しさややりがいも大きいです。

伝統的な金融機関は今後も再編等で多少不透明な所もあるかと思いますが、業界全体でいうとAmazonやGoogle、Alibaba等のネット系の会社の参入も期待されたり(どうなるか不明ですが)、ソーシャルレンディングの勃興、Finteck企業の浸透も期待されます。結局はどこにいたとしても規制当局の監視・管理化におかれたうえで業務は遂行しますので、金融経験が完全に陳腐化する可能性は非常に低いと考えています。