MPAを学ぶことの意義、卒業後の進路について

米国留学
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日本ではまだまだ知名度の低いMPA。そんなMPAを取ることの意義や、卒業後はどういったキャリアが広がっているか解説します。

 

そもそもMPAって何?

MPA というのは、Master of Public Administration の頭文字を取った学位名略称です。

 

MPAと似ていて(?)、日本で知名度が高いのがMBA(Master of Business Administration)です。

*ほかにも、MPP(Master of Public Policy)や、MPH(Master of Public Heath)とかもあります。

 

MPAを日本語で訳す場合は、行政管理修士だったり公共経営修士となります。専門職学位ってやつですね。

日本だと早稲田大学や筑波大学のプログラムが有名です。

MPAでは何が学べるの?

MPAで学べることは、主にはパブリックセクターでの経営・運営、財務戦略、人事戦略、評価手法について学びます。

 

経営・運営、財務戦略、人事戦略関連のクラスは、実はMBA生と一緒に履修する場合も多いです。実際に、私が履修したクラスの2割程はMBA生と混合のクラスでした。

 

MBAと大きく異なる点は、

 

1)NPO・NGOや行政機関でのプログラム組成方法や、そうしたプログラムの評価手法について学べる点

 

2)各クラスで活用するケーススタディ、財務諸表、プレゼンの想定、各プロジェクトの題材はすべてパブリックセクターから持ってくる点

 

の2点です。

 

パブリックセクターといった場合、行政機関(連邦政府、州政府、州以下の行政区分)、NPO・NGO機関、国際機関とありますが、これらの比重の置き方はプログラムによって異なります。

*MPHの領域かもしれませんが、医療機関運営に焦点をおいたクラスも時期によっては開講していたりします。

 

(因みに、私の出身校であるブリガムヤング大学マリオットスクールのMPAでは、州政府、州以下の行政区分、NPO機関が圧倒的に多かったです。ユタ州の行政機関に数多くの卒業生を輩出していることが関係しているのでしょう。)

 

MPAを学ぶことの意義とは?

NPO・NGO、行政が取り扱う問題はどれも複雑なものが多いですが、そうした問題解決にあたり、どのようにして問題解決の仮設をたて、仮説検証手法を計画・実行し、取得した結果・データから一連のプログラムを評価するかといったことを体系的に学べることです。

(民間の場合は、目標指標として売上、新規顧客数、顧客単価、利益と自明のものに収束しますが、パブリックセクターは確実にそのほかに目標指標が必要になる)

 

実際に仮説検証のためにフィールドでデータ取得したり、統計ソフトやエクセルを活用してデータ解析を実施します。

 

一言であらわすなら、パブリックセクターでの実務家養成訓練と思ってください。

 

 

余談ですが、個人的には、MPAを学ぶことの意義は、MPAって実はカバー範囲が広いため「ツブシが効く」ことだと思っています。笑

 

「MPAでMBA生と混ざって経営、財務戦略等をビジネススクールで学んできました!」と主張することで、民間での就職活動時にアピールできますし、

実際にパブリックセクターで就職活動する場合は、MPAで行ってきた各プロジェクトを、背景→問題定義→仮説→仮説検証→分析→結果と順を追って丁寧に説明すれば良いアピールになると思います。

MPA卒業後(取得後)の進路はどんなものがあるの?

MPA卒業後(取得後)の進路ですが、主に以下になります(日本人(新卒)が米国でMPAを取得した場合を想定しています)。

 

一つ覚悟しなければいけないのは、日本人である以上、米国政府で働くわけにはいかず、一方でMPAを持っているからといって日本の公務員試験がパスされるとかはないというところです。その点だけどうしてもネックになります。

 

1. 現地NPO・NGO組織への就職

 

”現地”と記載しているのは、一般にNPO・NGO組織に日本で就労するとなると、ある程度の職歴が求められるからです。

ただ誤解してほしくないのは、日本のNPO・NGO組織に入るより簡単というわけでなく、単に職歴の有無で問答無用に断られたりとかが現地だと少ないよという程度です。

*セレクションは勿論フェアに行われるので、職務経験が無い、ビザサポートが困難といった理由で、他のアメリカ人職務経験有の方と応募が重なってしまうとかなり困難です。正直いばらの道ではあります。笑

 

卒業後に現地NPO・NGO組織に就職するにあたっては、それこそ在学時の各プロジェクトのかかわり方が大切になってきます。

各プロジェクトで現地のNPO・NGO組織と関わることや、彼らの問題解決のサポートを行ったりとかがあると思いますが、その際に、自身のコンピテンシーをしっかり発揮して、且つ覚えてもらうことが大切になります。

 

私と同時期に留学していた留学生もその方法で現地のNPO法人に就職しています。

 

 

2. 日本のNPO・NGO組織への就職

ごく稀になのですが、(恐らく人手不足すぎる 等の理由からか)職務経験が無くても受け入れてくれるNPO・NGO組織が存在します。

そうした機関をたまたま見つけて、且つ活動内容と自分が深めたい専門性がマッチするのであれば、私はそれもありだと思っています。

 

 

3. 民間に就職

ボストンキャリアフォーラム等の就職活動イベントに参加し、自分がMPAでやってきたことをしっかりと伝えたら、業界を問わずある程度の内定はもらえると思います。

 

以下、MPAと親和性が高いなと私が感じた業界です(笑):

・開発金融(JBIC、JDB等)

・商社

・総合電機

・プラント

・コンサル

 

*青年海外協力隊や、国際機関でコンサルとして就労するという手もあるのでしょうが、詳しくないため省いております。

**既に職務経験が有る方の場合は、卒業に合わせて国際機関の各種公募情報や、タイミングが合えばリクルートミッション等に応募するのもありだと思います。残念ながら、私の周りにいたMPA生でそのケースは見れなかったですが・・

 

【番外】

ごく稀にではありますが、卒業してすぐに社会起業をする方もおりました。

私の同窓ですと、日本人で2名、アメリカ人で4-5名はおります。印象としては、院在籍時に取り組んだプロジェクトをさらに深堀りしていった方が多いようです。